「ツジツマシアワセ」のしくみ

だれでも手軽に、楽しみながら
「ツジツマシアワセ」してほしいから、
食事の栄養バランスや品質を評価する時の
「ものさし」として、
“JANPS”という仕組みを開発しました。

“JANPS”とは
“Japan Nutrient Profiling System”
の略称。

日本の文化に適した考え方に基づいており、
“生活習慣病やロコモにならない”
といった、
健康寿命延伸に関連する
4つの栄養素/食材に着目。
献立とメニューの栄養評価を
することができます。
1食分の献立やメニュー
(主食、主菜、副菜等)の
栄養素/食材の
摂取目標値から算出してスコア化します。

日本人の食文化と健康課題に沿って、シンプルに4つの栄養素/食材に着目

献立やメニューの栄養バランスを
スコア化することができます。※1

多いほど高評価※2

野菜
野菜の摂取量を増やすことにより、循環器疾患の疾病負荷を小さくできる可能性があります。※4
たんぱく質
栄養学的に体つくりに重要であり、高齢者におけるロコモを予防する上で、重要な栄養素です。※5

少ないほど高評価※3

飽和脂肪酸
飽和脂肪酸の摂取量を減らすことにより、LDLコレステロール高値の減少に繋がるとされています。※6
塩分(食塩相当量)
塩分(食塩相当量)の多量摂取は、非感染性疾患による死亡・障害に及ぼす影響が最も大きな食事因子とされています。※7
  1. ※1 栄養バランスのスコア化の流れは下記の通りです。
    1. ①一食分の献立や主食・主菜・副菜・汁物ごとに栄養素/食材の摂取目標値を算出。
    2. ②栄養素/食材の摂取目標値を基準に、摂取量に応じて0〜10点でスコア化。
    3. ③4つの栄養素/食材のスコアを合算した合計点を算出し、100点満点に換算する。
  2. ※2 栄養素/食材の摂取目標値に近いほど評価が高くなります。野菜とたんぱく質は摂取することを推奨しているため、摂取量が多いほど、評価が高くなります。ただし、目標値より多い摂取量でも上限の10点を超える点数はつきません。
  3. ※3 栄養素/食材の摂取目標値に近いほど評価が高くなります。飽和脂肪酸と塩分(食塩相当量)は過剰摂取の制限を推奨しているため、摂取量が少ないほど、評価が高くなります。ただし、目標値より少ない摂取量でも上限の10点を超える点数はつきません。
  4. ※4厚生労働省「健康日本21(第三次)」より。
  5. ※5厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より。
  6. ※6厚生労働省「健康日本21(第三次)」より。
  7. ※7厚生労働省「健康日本21(第三次)」より。

栄養素/食材ごとの摂取目標値の考え方

  • 献立の目標値は、WHO(世界保健機関)や科学論文などから算出された一日摂取目標値の1/3(1食分)を設定しました。
  • メニューの目標値は、上記献立の目標値を基準に日本人の食事スタイルから主食・主菜・副菜・汁物ごとに設定しました。
評価栄養素/食材 一日の
摂取目標値
一食の
摂取目標値
出典と考え方
野菜 350g 116.7g 厚労省「健康日本21」の一日野菜摂取目標量の350gから算出。
たんぱく質 66.0g 22.0g 科学論文(*)のIAAO(指標アミノ酸酸化法)法で求められた、たんぱく質の摂取推奨量(1.1g/kg/day、60.0kg想定で66.0g)から算出。
飽和脂肪酸 22.22g 7.41g WHO(**)の摂取目標量である、10%エネルギー以下から算出。(2000kcal×10%÷9kcal=22.2g)
塩分
(食塩相当量)
7.00g 2.33g 厚労省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量である男性7.5g、女性6.5g未満の平均値の7gを採用。

栄養バランスのツジツマあわせの考え方

生活スタイルによって選べる、2種類のツジツマあわせ

栄養バランスのツジツマあわせとは?
例えば、“昨日”の食事は野菜が
少なかった場合、“今日”は「野菜よし!」の
マークを目印にした食事をとることで、
“昨日”と“今日”で野菜の栄養バランスの
ツジツマあわせができます。

”昨日”野菜の摂取量が少ない
”今日”野菜の摂取量を増やす
栄養バランスのツジツマあわせができました

または、

”昨日”野菜の摂取量が少ない
”翌日”栄養バランスが良い献立やメニューにする
”翌日”から栄養バランスの良い食事にして、長い目でツジツマをあわせます
自分に合った考え方で、栄養バランスのツジツマをあわせましょう

※グラフはイメージ図です。

“JANPS”をもっと知るためのQ&A

  • Q “JANPS”の採点方法を教えてください

    A

    大きく分けて3つのステップで栄養バランスをスコア化しています。

    1. ①一食分の献立や、主食・主菜・副菜・汁物ごとに栄養素/食材の摂取目標値を算出します。
    2. ②①で算出した栄養素/食材の摂取目標値を上限に、各栄養素/食材の摂取量に応じて、0〜10点で点数を付けます。
    3. ③②でつけた4つの栄養素/食材のスコアを合算して合計点を出し、100点満点に換算します。
  • Q “JANPS”は何を参考にして開発されたのですか?

    A

    農林水産省と厚生労働省が策定した「食事バランスガイド」を参考に、日本の食卓でよくみられる食事のパターンから、主食・主菜・副菜・汁物など一皿として考えたときの、各料理の特徴を分類しました。
    一食分の献立や、主食・主菜・副菜・汁物など一皿ごとの理想的な栄養目標値は厚生労働省が策定した食事摂取基準※1や、「健康日本21」※2、またはWHOの指針や基準※3、科学論文を基に作成しています。

    1. ※1厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
    2. ※2厚生労働省「21世紀における国民健康づくり運動〈健康日本21(第2次)〉」
    3. ※3World Health Organization, Draft guidelines on saturated fatty acid and trans-fatty acid intake for adults and children. Public Consultation May to June 2018.
  • (*)
    • Humayun MA, Elango R, Ball RO, Pencharz PB. Reevaluation of the protein requirement in young men with the indicator amino acid oxidation technique.
      Am J Clin Nutr. (2007) 86:995–1002. doi: 10.1093/ajcn/86.4.995
    • Tian Y, Liu J, Zhang Y, Piao J, Gou L, Tian Y, et al. Examination of Chinese habitual dietary protein requirements of Chinese young female adults by indicator amino acid method. Asia Pac J Clin Nutr. (2011) 20:390–6.
    • Tang M, McCabe GP, Elango R, Pencharz PB, Ball RO, Campbell WW.
      Assessment of protein requirement in octogenarian women with use of the indicator amino acid oxidation technique. Am J Clin Nutr. (2014) 99:891–8.
      doi: 10.3945/ajcn.112.042325
    • Rafii M, Chapman K, Elango R, Campbell WW, Ball RO, Pencharz PB, et al.
      Dietary protein requirement of men>65 years old determined by the indicator amino acid oxidation technique is higher than the current estimated average requirement. J Nutr. (2015) 146:681–7. doi: 10.3945/jn.115.225631
    • Rafii M, Chapman K, Owens J, Elango R, CampbellWW, Ball RO, et al. Dietary protein requirement of female adults >65 years determined by the indicator amino acid oxidation technique is higher than current recommendations. J Nutr. (2015) 145:18–24. doi: 10.3945/jn.114.197517
  • (**) World Health Organization. Draft Guidelines on Saturated Fatty Acid and Trans-Fatty Acid Intake for Adults and Children. (Public Consultation May to June 2018). (2022).